企業ニーズに応えられる技術支援を目指します

 県内企業及び関係団体の皆様には、かねてより当センターの業務運営にご協力いただき、深く感謝申し上げます。

 昨年(令和7年)は、1月に就任したアメリカ大統領トランプ氏の「アメリカファースト」という考えのもと、我が国の経済は、米国の通商政策により自動車産業を中心に影響がありましたが、緩やかに回復傾向にあるようです。

 一方、鹿児島県の経済についても、業種・業界で違いはあると思いますが、緩やかに回復傾向にあるようです。ただ、依然として、輸入物価や人件費の上昇等を背景とした物価高や米国の通商政策の影響なども含めて景気の下振れリスクに留意する必要があるようです。

 さて、当センターでは、地域企業の『稼ぐ力』の向上を技術で支える試験研究機関として、昨年度は鹿児島大学との共同研究で得られた研究成果が、県味噌醤油工業協同組合、県内企業との4者でコンソーシアムを組むことで、腸活に最適な「食物繊維たっぷりもち麦の整え味噌」が商品化されました。県の伝統的工芸品製造事業者の新商品開発支援では、商品化された「薩摩焼割付文様絵付ブレスレット 薩摩Bijou」が、「2025かごしまの新特産品コンクール」県知事賞を受賞しました。また、当センター、東京大学、県内企業の3者で製造技術を確立した火山ガラス微粉末(VGP)が、低炭素型シラスコンクリートとして民間工事に初めて採用されました。

 その他、機械、電子、木材関連分野などでも、研究成果の技術移転、製造工程等の改善に繫がる技術支援の成果がありました。

 当センターの研究成果、特許、設備等の情報を効果的に周知・発信する試みとしては、令和5年度から取り組んでいる、企業と共に県庁18階かごゆいテラスで発表する「取組事例報告会」を昨年度は計2回開催(延べ9回)し、また、令和7年度導入機器の説明会を通して、設備利用の利用促進に努めました。

 企業等との共同・受託研究25件、特許登録2件、研究開発成果の技術移転や新商品開発支援等も進めることができました。

 令和8年度も引き続き、当センター利用企業の裾野を広げるための企業訪問や、企業・業界ニーズ調査、研究成果発表会や取組事例報告会、ホームページ等での情報提供などを積極的に行い、共同・受託研究による課題解決や商品化支援を目指します。

 また、企業ニーズの高かったアミノ酸分析装置、紫外可視分光光度計、走査型電子顕微鏡、粒度分布測定装置などを導入し、企業への技術支援に役立てると共に、地域資源の付加価値創出の研究開発等に活用する予定です。

 研究開発に関しては、VGPを用いた低炭素型コンクリー卜の普及に向けた取組を始め、鹿児島ならではの地域資源等を活用した新産業分野への参入支援や、AIやIoT等のデジタル技術を活用したものづくり生産性向上の強化などに取り組んで参りたいと考えております。 最後に、本年度も地域企業に寄り添い、企業ニーズに応えられる技術支援機関として、職員一同、尽力して参りますので、これからも積極的な御利用をよろしくお願いします。

令和8年4月 

鹿児島県工業技術センター所長 安藤 浩毅

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